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前編では、重曹を使ったお掃除方法をご紹介しました。

栄養源がなくなり、カビが繁殖しにくい環境を作ることができたので、これで洗濯槽の中は安心! と思いきや…もう一つ、洗濯槽には汚れが残っていました。それは「石けんカス」。

「石けんカス」は重曹の力だけでは充分に取りきることができないことがあります。

「石けんカス」とは?

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石けんに含まれる「脂肪酸」と水の中に含まれる「カルシウム」が合体してできてしまった汚れです。俗に石けんカスと呼ばれますが、正式名称は脂肪酸ナトリウム。カビは、この石けんカスも栄養源にしているので、この汚れも取り除いてしまいたいところ…。

そこで使用するのが「お酢」です。「石けんカス」は「酸に溶けやすい」という性質をもっています。穀物酢、またはクエン酸をご用意くださいね。

お酢のニオイは気にならないの?

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個人的な感覚ではあまり気になりませんが、ニオイの感じ方は人それぞれなので、気になる方もいらっしゃるかもしれません。

また、洗濯槽に長い時間、酢水を入れておくと、ニオイが残ることもあります。このニオイは洗濯をしていれば徐々になくなりますが、お酢のニオイが気になるという方は「クエン酸」がオススメ。薬局やスーパー、ホームセンターで手軽に購入できます。

お酢を使用した洗濯槽のクリーニング

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では、さっそくお酢を使用して洗濯槽をクリーニングしましょう。
※このお掃除方法はドラム式洗濯機には行わないでください。

1.高水位に給水した洗濯槽に約2~3カップのお酢を注ぎます。
  クエン酸を使う際は約1/2~1カップを目安にしてください。
2.3分ほど運転して攪拌(かくはん)した後、数時間から1晩放置します。
3.洗濯機を回して、コースが終了したら終わりです。

iconご注意

重曹やお酢・クエン酸は、市販の洗濯槽洗剤のように強力な洗剤ではありません。お酢や重曹を使用する場合は、こまめに洗浄することをオススメします。お酢は食用なのでたくさんの栄養分が入っています。お酢の成分が残ってしまうと、かえってカビの栄養源になり、カビが増殖する可能性があります。しっかり濯いでくださいね。

洗濯後は、洗濯槽に重曹を振りかける

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とはいっても、そんなにしょっちゅう洗濯槽のお掃除なんて面倒くさい! という方は毎日の洗濯の後、洗濯槽に重曹を振りまいておくことをオススメします。重曹が水分を吸い取るので洗濯槽内の湿度が下がり、カビが繁殖しにくい環境を作ります(消臭効果もあります)。

また、重曹が入ったまま洗濯をすれば、衣類の汚れ落としも助けてくれます。湿気を逃がすため、洗濯機のフタを開けておくことも忘れずに。

長くなりましたが、これで洗濯槽の汚れはすっきり落とせました。カビが繁殖しにくい環境の完成です。これで安心ですね。

…ん? ちょっと待って! 肝心のカビはどうなったのでしょうか? 汚れは取れてもカビ自体はまだ洗濯槽にウヨウヨいるはず! この菌はどうしたらいいのでしょうか?

その点も大丈夫。心配ありません。実はカビは中性の環境でしか生きていけない生き物なのです。

前編で紹介した重曹のお掃除は、弱アルカリ性の重曹水で洗濯槽をつけ置きする方法でした。さらに、今回紹介したお酢、クエン酸でのお掃除は、弱酸性の水に洗濯槽を浸け置きする方法です。つまり、エサだけでなく、カビが生きるために必要な中性という環境をも見事に壊しています。これでカビの心配もありません。

また、先ほどご紹介したように洗濯の度に重曹を入れるようにすれば、カビが増えないようにコントロールできるので、さらに安心ですね。

前回「重曹で洗濯槽のお掃除 前編」は下記からどうぞ。

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