1


ワックスを上手く塗ったはずなのに…どうして!?

ポイントをしっかりとおさえれば、まるでプロに頼んだような美しい仕上がりが期待できます。
ワックスの塗り方 中編です。


【目次】
前編>———————————–
1.そもそもワックスを塗るとどんなメリットあるのでしょうか?
2.準備
3.動かせる家具を動かす!
–中編———————————–
4.掃除
5.ワックスを塗る前の心得

後編>———————————–
6.ワックスを塗ります!
7.後片づけはすばやく!
8.失敗例





4.掃除

家具をうごかしたら、さっそくワックスを塗り始め…ません。
ワックスがけの中で、実は「お掃除」が一番大事な工程です!
ちなみに、時間で言うのであれば、この作業が全行程の7割を占めます。掃除をする、しないでは、ワックスを塗った後の見栄えが大きく変わります。
掃除の必要性をご理解いただくために、まずワックスの構造についてお話しましょう。


ワックスの構造

2

ワックスは、フローリングの上に透明の薄い膜を作りフローリングを保護するものです。ゴミや汚れがある状態でワックスを塗ると…図のようにワックスと床の間にゴミが挟まってしまいます。
ワックスは乾くと硬くなり、ゴミを取り除くことはできません。せっかくかけたワックスに汚れが目立つのはちょっと…。

4

ワックスを塗る時にゴミを挟み込まないように、いつもより少し慎重にお掃除しましょう。

1.大きなゴミを掃き取ります。
2.ウェットシートまたは雑巾で水拭き掃除。
3.から拭き掃除で仕上げ。

時間はかかるけど、この作業をきちんと行うことで、ワックスを塗った後のフローリングの仕上がりが驚くほどキレイになります。
お掃除の後はよーく乾かします!


剥離作業

既にワックスが塗ってあり、新しいワックスを塗りたい。
そんな場合には、まず古いワックスを落とします。
中性洗剤のようなものではなかなか剥がれませんので、専用のワックス剥離剤を使用します。


どうして剥離作業が必要なんでしょう?

古いワックスは時間の経過とともに劣化し変色することが多く、ワックスにほこりなどの汚れが付着します。
古いワックスを剥がさずに新しいワックスを塗った場合、新しいワックスで汚れを挟みこんでしまうので、キレイな仕上がりは期待できません。

4

剥離剤を使って古いワックスを剥がしてしまいましょう。 「前にワックスを塗ったのはいつだっけ?」
という床のワックス(塗布後3年以上経過)はすっかりと熟成(?)して、硬くこびりついています。

また、「今までワックスを塗ったことはあっても、剥がしたことがない」という場合は、歴代のワックスが地層の様に重なり合っているので、並大抵なことでは剥がすことができません。

7

それらの場合は剥離剤を説明書の通りに使っても、なかなか剥がれないことがあります。
そんな苦労をしないためにも、古いワックスはきちんと剥がしておくのがコツです。





5.ワックスを塗る前に。心得えておきたいこと。

ワックスの種類によって塗り方は多少異なりますが、今回は樹脂ワックスを使用することを前提に「キレイなワックスの塗り方」の心得をご紹介します。


◇心得1 ワックスを塗るルートを頭の中でシュミレーションすべし!

自分が閉じ込められてしまった!なんてことがないように
塗り始めの場所を決め、どのような流れで自分が動き、最後にどこで終えるのかをシュミレーションします。ワックス塗りは素早さが求められるので、これを決めておくことで無駄のない身動きをすることができます。

部屋を3つ以上に区切り、ワックスを塗る順に範囲を決めておきましょう。

2

1:一番奥
2:真ん中
3:コーナー
4:出口


◇心得2 ワックスは素早さが勝負!

例えば、乾いてしまったワックスの部屋で塗り残しを発見したとします。
そんな時、上からワックスを重ね塗りすると…あれ?ムラになってしまいました。

3

写真を見るとわかりますが、乾いてしまったワックスの上に、ワックスを重ね塗りすることになります。
1層目(乾いた部分)と2層目(新たに塗った部分)というように、段差を作ってしまうことになります。
これはかなり目立ちます…。
こんなムラを作らないために、ワックスが乾く前に重ねるのがコツ!まさに、時間との勝負なのです。


◇心得3 ワックスを塗る時は「こすらず、のせるように」すべし!

水拭きをするようにゴシゴシとワックスを塗るのは間違い。乾いた後、拭き後が残り、ムラになってしまいます。

4

「こすらず、のせるように」ワックスをぬることがキレイに仕上げるためのコツです。力を入れずにすーっと滑らせるようにします。


◇心得4 ワックスを直接床にまかない

よく、床に直接ワックスをまいてしまう方がいますが、初心者の方にはおすすめできません。
塗るよりも早く、ワックスが固まってしまい、そこだけ盛り上がってしまったりすることもあるからです。また、塗っていく過程で撒いたワックスを踏んでしまうこともあります。必要な量だけをワックスモップに浸みこませながら行ってください。


◇心得5 ワックスは晴れた日にすべし

乾燥した空気のもとで行うこともワックスをキレイに仕上げるコツです。「晴天の午前中から開始して午後の昼下がりぐらいには終了する」というスケジュールがちょうど適しています。
雨天時は、ワックスの乾きが悪いので、仕上がりが悪くなることがあります。どうしても雨天時にという場合は空調、換気扇を利用するといいですよ。


◇心得6 作業中は窓を閉める

窓を開けてワックスを塗ると、風に乗って砂ボコリが入る可能性があります。侵入した汚れはワックスに埋め込まれてしまうことも。作業中は窓を閉めることをオススメします。


◇心得7 服装にも注意すべし 隠し技!

ズボンにガムテープ作業中に髪の毛が落ちて、ワックスに混じってしまった!という状況はよくあることです。髪の毛が落ちないように注意してくださいね。

9

また、ワックスを塗っている最中、髪の毛やホコリが落ちているのを確認したらすぐに取り除けるように、作業着にはガムテープを丸めたものをくっつけておきます。ゴミを見つけたらそれでキャッチ! キャッチした後はまたズボンにくっつけます。


◇心得8  一部屋ずつ塗るべし

10

ワックス塗りを一部屋の途中でやめると、次回ワックスを塗るときに固まったワックスの上にワックスを重ねて塗ることになり、ムラになってしまいます。塗る時は一気に一部屋単位で塗りましょう。くれぐれもつまみ食い状態の塗り方はしないことです。