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焼肉、お好み焼き、揚げ物…、美味しい食事の後に気になるのは、衣服についたニオイ。このニオイ、いったいどうやって取ればいいのでしょうか?

今回は衣服についたニオイの取り方を、ニオイの仕組みとともにご紹介します。

ニオイは小さな粒の集合体

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ニオイは分子、目には見えない小さな小さな粒です。それら無数の粒が衣服の繊維と繊維の間に入り込むことで衣服が臭うようになります。人間がニオイを感じるくらいなので、それはもう、たくさんのニオイの分子が入り込んでいます。


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粒と分かれば対処方法は簡単! 衣服についた粒を取り除くために、服をパッパッと払ったり、粘着ローラーで服をコロコロしたりして、ニオイの分子を取り除いてしまおう! という手もあります。

…しかし、ニオイの分子は小さく大量についているので、この方法では完全にニオイ分子を取り除くことはできません。


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例えば、風通しのいい所で衣服を干し、時々払ってあげるという方法は効果的です。時間はかかりますが、ニオイの分子が風にのって剥がれていきます。

セーターは要注意!

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「ニオイは小さな分子で繊維と繊維の間に入り込む」という話をしました。例えばセーターなど繊維と繊維の溝が大きく、起毛しているものは要注意です! ニオイの分子が絡みやすいだけでなく、ニオイの粒が取りにくいという難点もあります。

ニオイがつくことが予想できる時には、セーターや起毛した洋服は避けた方がよさそうですね。


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実は、飲食店に行くと髪にニオイが移ってしまうのも同じ原理です。髪の毛1本1本のすき間にニオイの分子が入り込み、たくさんの髪の毛がニオイの分子を逃しにくくしています。

ニオイを取る代表的な方法

ニオイの分子は洗い流して落とすことができます。したがって、衣類を洗ってしまうのが一番です。髪の毛も洗ってしまうのが一番ですよね。

しかし、頻繁に洗うことができない物もあります。そんな時には消臭剤の出番。しかし、この消臭剤。どのような仕組みでニオイを取っているのでしょうか? 世の中に出ている消臭剤の仕組みをご紹介します。

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1.マスキング

ニオイの分子を別の物が包み込み、カバーします。ニオイ分子そのものを消すという方法ではありません。より強いニオイでイヤなニオイを感じなくさせる、というと分かりやすいかもしれませんね。


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2.吸着させる

例えば冷蔵庫の脱臭炭を思い出して下さい。あれは、炭の中にニオイの分子を閉じ込めてしまうものです(ニオイの分子が脱臭炭に吸い寄せられる、というわけではありません)。

空気の流れにのって自然に入り込んだ分子を、複雑な構造で外に逃がさないという仕組みです。置くだけで良いという手軽さはありますが、即効性にかけるのが難点です。


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3.ニオイ分子を別の物に変える

まさに化学の世界です。薬剤を振りかけ、ニオイの分子をニオイのしない別の物に変化させます。薬剤がかかった部分はニオイがしなくなりますが、かからなかった部分はニオイが残ります。まんべんなく振りかける必要がありますが、即効性は抜群です。


いかがでしょうか。基本的にはこの3種類の方法を応用し、消臭剤は作られています。今回は分子(化学)の世界の話になってしまいましたが、もともとの仕組みを知れば、解決策は意外と簡単。お掃除の豆知識として参考にしてみてください。