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第1弾に続いての開発者に聞くワックスの特徴。今回はワックスの数値から、上手なワックスの塗り方までさらに深まるワックスの謎をご紹介!

「さらに深まるワックスの謎」

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Q 【アクリガード】の中に樹脂分23%という表示がありますが、これは数値が高いほど被膜が丈夫ということなのでしょうか?

S氏 “丈夫”という表現は適切ではありません。樹脂被膜の厚さは多くの量を塗るほど厚くなりますが、強さという意味では樹脂被膜そのものの性質によるものなのでどんなに多くの量を塗っても、柔らかいものは柔らかい、硬いものは硬い被膜ができます。

Q な、なるほど。ということは【アクリガード】の樹脂分23%という数値は、最も高い効果を得られる配合率として、ちゃんと裏付けされているんですね。

S氏 そうですね。ワックスを塗って乾くまでの時間がどのぐらい掛かるのか、気泡ができずにフラットに塗れるのかなど、いろいろな濃度で実験した結果、23%という数値になりました。

Q 単純に樹脂成分が高ければよい、というわけではないんですね。

S氏 そうなんです。


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Q 前回のお話で、それぞれのワックスの優れている点はわかりました。しかし、一般的に特徴があるものは、その裏側に弱点があるような気がしますが、そこのところをざっくばらんにお話いただけませんか?

S氏 …弱点!? (一瞬驚くが、覚悟を決めたように…)

アクリガード】は水に濡れて30分から1時間すると水分を吸って白く変色することがあります。具体例で説明すると、台所などで水がはねた後、そのままにしておくと白いシミのようになることがあります。その点を改良すべく、樹脂成分を硬くして改良したのが【アクリガードスーパー】です。しかし、【アクリガードスーパー】は樹脂が硬い分【アクリガード】に比べてはがしにくいという性質があります。しかし、これはワックス剥離剤などを使用することで簡単に解決します。


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その名の通り、古いワックスをしっかり落とすことができる強力床ワックス剥離剤です。
1本で約48畳分使用することができます。

Q 実際にワックスの剥離作業をして私も感じたのですが、やはり半年から一年に一回ほど、こまめにワックスをはがしていれば、けっこう簡単にはがれるものですよね。ところが、塗ったワックスが何年前のものなのかわからない(笑)ともなるとワックス層がカチンカチンになって、剥離剤の原液で塗ってもなかなかはがれませんよね。

S氏 そうですね。こまめにはがすことでもこの問題は解決されます。

Q 【アクリガード土足フロア用】はどうですか?

S氏 【アクリガード】に比べてキズはつきにくいのですが、あくまでも樹脂被膜なので砂などによりキズは必ずついてしまいます。土足フロア用だからまかせておけば安心!ということではなく、適度なサイクルで塗ってください。剥離作業については【アクリガード】と同じ程度と考えてください。

「緻密な計算を基にはじきだされた量」

Q 一定の面積に塗るワックスの量が種類によって異なるというのが、素人考えではどうも納得がいかない(笑)というか、不思議なのですが。

S氏 先ほどもチラッと言ったのですが、塗りやすさが関係します。平滑に塗れるかどうか、あるいは気泡がつかないがポイントになります。キレイに塗れずに固まってしまうと、表面がフラットでないため、ザラつき感が出てしまいます。そうならないように、バランスの良い樹脂量を設定して、それを一平米あたりに塗ったらどのぐらいの量になるのか、計算します。その計算に基づいて使用量を推奨しています。

Q 緻密な計算の基にはじき出された量なんですね。次の質問ですが、実際に小売店に行くといろいろな値段のワックスが販売されていますが、良し悪しをどのように判断したらよいのでしょうか?

S氏 作る側の立場から言いますと、値段のつけ方は出来上がった被膜の柔らかさ、持続性、紫外線にどのぐらい耐えられるのか、また、被膜自体を引っ張った時の強さ、床との密着具合など、細かな性能の優劣がそのまま値段に反映されているのだと思います。

Q 価格と性能には関係があるということですね。

S氏 そうですね。

Q 最後になりますが、上手にワックスを塗るコツがありましたら教えてください。

S氏 まず、塗布専用のモップを使って塗ることです。これにつきます。アクリガードシリーズは普通の雑巾でも塗れるように設定しています。しかし、雑巾を使うと糸クズがワックスに混じったりする可能性があることや…、何より、塗る作業自体がたいへんなものになってしまいます。
あと、重ね塗りをする場合、一度表面のホコリをキレイに除去してから塗ってください。一番良いのは、その都度古いワックスを剥離して塗ることですが、実際はなかなかたいへんだと思います。表面のホコリをしっかりと取っていただくことで、古い被膜と新たに塗った被膜の密着度がぐうーんと高まります。
これがもし、ホコリが古いワックス層に残っていると、密着が悪くなり、後に塗った被膜がはがれやすくなります。
「最初に塗った時より、二度目の仕上がりのほうがおかしい」という感じがした場合は密着度が悪いことが原因であるケースが多いようです。
この場合は剥離剤を使って古いワックス層を含めすべてはがしてから、新たにワックスを塗っていただく必要があります。

なかなかワックスって奥が深いですね。どうもいろいろとありがとうございました。



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ケバ立ちしにくいモップ糸を採用しているので、拭きムラを抑えることができます。
洗えば繰り返し使えるモップです。

前回「開発者に聞くワックスの特徴 第1弾」は下記からどうぞ。

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・開発者に聞くワックスの特徴 第1弾>>>