大掃除を行う寒い冬。
そして新生活の準備を始める暖かい春、どちらの季節も需要が高まるのが「ワックス」。
「ホームセンターに行きましたが、ワックスの種類がありすぎて・・、どれを使えばいいんでしょうか?」
こういった質問が寄せられます。
フローリングの美しさを長持ちさせるには、適切なワックス選びが重要です。
この記事では、掃除のプロがフローリングワックスの種類や選び方を詳しく解説します。

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ワックスの種類はどうやって決める?
ワックスの基本的な種類
家庭用ワックスにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。
まずは、どんなワックスが使い分けられているのか、代表例を見てみましょう。
| 主な種類 | 特徴 | メリット | デメリット | 代表例 | 合うフローリング床材 |
樹脂ワックス(水性)
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合成樹脂を主成分とし、床の表面に透明な保護膜を形成する | 手軽に塗れて速乾性があり、美しい光沢を維持できる | 剥離が必要で、ワックスの重ね塗りによるムラが発生しやすい | 家庭用のアクリル樹脂系ワックス | 合板フローリング |
油性ワックス
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天然の植物油や蜜蝋を主成分とし、木材に浸透して保護する | 木の呼吸を妨げず、自然な風合いとしっとりした質感を維持できる | 乾燥に時間がかかり、塗りムラが生じやすい | 蜜蝋や植物性の天然ワックス | 無垢フローリング |
クッションフロア専用ワックス
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塩化ビニル床材向けに開発され、適度な光沢と保護効果を提供する | クッションフロアに最適で、剥がれにくく滑りにくい仕上がり | 木製フローリングには使用不可。他のワックスとの併用も不可。 | 塩ビタイル・クッションフロア対応のワックス | クッションフロア |
ご自宅のフローリング(床材)に合ったワックスを選ぶ
フローリング(床材)の種類によって、特性や必要なケアが異なるため、それに合ったワックスを選ぶことが重要です。
以下に、ご家庭で使われることが多いフローリング(床材)と、適したワックスについて解説します。
- 合板フローリング
複数の木材を組み合わせた構造で、表面に薄い化粧板が貼られています。
家庭用として最も普及している床材です。
表面保護を目的とした「樹脂ワックス」が適しており、ツヤを出しつつ、汚れや傷から床を守ります。 - 無垢フローリング
天然木をそのまま使用した無垢材は高級感があり、木材の質感を楽しめますが、水分や傷に弱い性質があります。
「油性の蜜蝋ワックスや植物性ワックス」を使用すると、木材内部を保護しながら木目の美しさを引き立てます。 - クッションフロア(塩ビ素材)
水回りや子ども部屋に使われることが多い塩ビ素材の床材には、柔らかい「クッションフロア専用ワックス」を使用してください。 - ノンワックスフローリング
最近は、特殊な表面加工を施し、ワックスを必要としない床材も増えてきました。
耐久性や防汚性が高く、メンテナンスが簡単なのが特徴です。
ただし、傷や経年劣化により効果が減少しますので、適切なケアは必要です。



種類が豊富な樹脂ワックスの選び方
ホームセンターで販売されているワックスの多くが樹脂ワックス。
使い方が簡単で最も普及しています。
だからこそ、どの商品を選ぶのか迷ってしまいがちです。
今回は、この「樹脂ワックス」の選び方をご紹介します。
特徴による選び方
ワックスの特徴に応じて、以下の4項目がそれぞれ調整されて市販されています。
どの項目を最も重視するのか、その優先順位がワックス選びの最大のポイントです。
- 耐久性(使用頻度が高い場所に)
ワックスの「硬さ」は床の傷を防ぐ重要な要素です。
硬いワックスは、ペットの爪痕やイスの移動による摩擦からフローリングを保護します。
特に、ダイニングやペットがいる家庭では、耐久性の高いワックスを選ぶことで、美しい床を長く保つことができます。
- 耐水性(水はねが多い場所の防水に)
耐水性とは、水によるワックスの劣化を防ぐ性能です。
キッチンや洗面所など水はねが多い場所では、ワックスが劣化しやすく、フローリングが白くなることも。
耐水性の高いワックスを選ぶことで、水回りの床を長持ちさせ、美観を維持きます。
- 滑り止め効果(小さなお子様などの転倒防止に)
滑り止め効果のあるワックスは、床の弾力性を高め、摩擦力を強化します。
特に小さなお子様やペットがいる家庭では、転倒防止のために有効です。
クッション性の高いワックスを選ぶことで、安心して歩ける安全なフローリングを作ることができます。 - ツヤ(仕上がりの美しさ)
ワックスを塗ると床の凹凸が埋まり、光が均一に反射するため光沢が生まれます。ピカピカな仕上がりを求める方はツヤありタイプを、自然な風合いを好む方はツヤなしタイプを選ぶと、理想のフローリングを演出できます。

タイプによる選び方
- 液体タイプワックス
最も一般的なワックスです。
ボトルや缶に入った液状のワックスをモップで均一に塗布します。
塗膜が厚めに形成されるため、耐久性が高く、フローリングの保護効果が長持ちします。
特にキッチンやリビングなど、頻繁に使用する場所に適しています。
一方で、乾燥時間が長く、塗りムラができやすい点がデメリットです。
- スプレータイプワックス
スプレー缶で床に吹きかけ、乾いた布やモップで伸ばして施工するタイプです。
初心者でも簡単に塗布でき、乾燥時間も比較的短いため、手軽にフローリングのメンテナンスができます。
特に、部分的な補修や頻繁な塗り直しが必要な場所に適しています。
しかし、スプレータイプは塗膜が薄く、耐久性が低いため、効果が長持ちしにくい点がデメリットです。
- シートタイプワックス
使い捨てシートにワックスが染み込んでおり、市販のフローリングワイパーに取り付けて使用するタイプです。
水拭き感覚で簡単に施工できるため、日常の掃除の延長として活用できます。
特に、広範囲に手軽にワックスを塗布したい場合に便利です。
ただし、通常の液体ワックスやスプレータイプと比べると塗膜が薄く、耐久性が低いため、頻繁な塗り直しが必要になります。
ワックス選びのポイントは、まずは理想の仕上がりをイメージすることです。
例えば、あまり頻繁に作業ができないから可能な限り長持ちさせたい、光沢は控えめな仕上がりがいい・・、など。
その理想に対して、ご自宅の環境(フローリングの種類)と目的(どの性能を重視するか)に応じて選んでください。
ワックスの塗り方に自信がない方は、こちらの記事も参考にしてください。
それでも難しい、と感じた場合は、スプレータイプやシートタイプをうまく活用して、床のメンテナンスを行いましょう。
ペットがいるご家庭でのフローリングワックス
- ケガの予防には
犬がフローリングで滑ると、関節や足腰に負担がかかり、ケガのリスクが高まります。
「滑り止め効果のある」樹脂ワックスを使用すると、摩擦が増し、犬が安全に歩けます。 - キズの予防には
犬の爪による傷を防ぐためには、「耐摩耗性の高い」樹脂ワックスを選びましょう。
硬い塗膜を形成するタイプを使用すると、傷がつきにくく、床を長持ちさせることができます。
- 汚れの予防には
犬の飲み水のこぼれや汚れに強い耐水性のある樹脂ワックスを選ぶと、掃除が楽になり、フローリングの劣化を防げます。
特に「撥水性が高いタイプ」を選ぶと、水拭きによる劣化も防げるため、清潔に保ちやすくなります。
- ペットの健康には
樹脂ワックスではありませんが、犬が床を舐める可能性があるため、蜜蝋ワックスや植物性ワックスなどの天然成分を使用したワックスもおすすめです。
ただし、耐久性が低いため、頻繁な塗り直しが必要になります。
原則は、滑り止め効果があり、かつ耐摩耗性の高いワックスを使うことで、犬のケガを予防しながら、爪などによる傷を防ぐことをおすすめします。
もし、ご自宅が無垢材のフローリングで、犬が床を舐めることが気になるなら、蜜蝋や植物性の天然成分のワックスを選んでください。

他にもある色々な種類のワックス
- ウレタンワックス
ウレタン樹脂を主成分とした耐久性の高いワックスで、強固な保護膜を形成する施工です。
耐摩耗性・撥水性が優れており、一度塗布すれば長期間のメンテナンスが不要です。
塗膜が非常に硬いため、一度塗ると剥離が難しく、施工に手間がかかります。
主に施設や店舗向けの業務用ワックスです。
- シリコンワックス
シリコンを含有したワックスで、滑り止め効果と撥水性に優れた施工です。
水や汚れを弾きやすく、安全性が向上します。
ワックスを床に塗布し、乾燥後に光沢を出します。
耐久性が高く、光沢が長持ちするのが特徴ですが、重ね塗りを繰り返すとムラが発生しやすいので注意が必要です。
介護施設や体育館など、滑り止めや耐久性を重視する場所に適しています。
- ポリマーコーティング
フッ素やナノポリマーを配合したコーティングで、高い耐久性と防汚性能を発揮する施工です。
撥水性・耐摩耗性に優れ、汚れが付きにくく、掃除の手間を軽減できます。
剥離が難しく、施工やメンテナンスにコストがかかるため、慎重に検討が必要です。
高級フローリング向けの長期持続型のワックスとして利用されます。
- ガラスコーティング
シリカを主成分とした超薄膜のコーティングで、耐摩耗性・耐水性が非常に高い施工です。
ワックスよりも長期間にわたりメンテナンスが不要です。
専用のコーティング剤を床に塗布し、乾燥・硬化させます。
ワックス塗り直しの頻度は?
ワックスの選び方は分かりました。
では、そもそもワックスはどのくらいの頻度で塗るのが良いのでしょうか?
ここでは、ワックスの劣化状況に応じたメンテナンスのポイントを解説します。
- 半年に1回
半年に1回の塗り直しは、メーカー推奨の頻度です。
特に、食卓やソファの周辺など頻繁に歩行する場所は、ワックスの光沢が失われ、傷が増えていきます。
部分的に塗り直すか、全体的に重ね塗りするのが有効です。
半年ごとのワックス塗布は美しさを保つためには理想的ですが、手間やコストを考慮して無理のない頻度を選んでください。
- 1年に1回
おすすめは1年に1回の剥離からの再塗布です。
半年たったら部分補修を行い、1年後にはワックスを剥がして再塗布することで、美観と保護機能のバランスを取ることができます。
3回以上の重ね塗りは、表面のムラや汚れの原因となるため、1年に1回はしっかりと剥離してから塗り直しましょう。
- 2~3年に1回
使用頻度が低い部屋では、2~3年に1回のワックス塗り直しでも十分です。
ただし、ワックスは時間が経つと成分が揮発し、次第に硬くなってひび割れが生じることがあります。
2~3年に1回のメンテナンス時には、必ず古いワックスを剥がすようにしてください。
特に、長期間放置されたワックスは剥がしにくくなるため、専用の剥離剤を使用することをおすすめします。
ワックス剥がしの重要性
ワックスは時間が経つと劣化し、傷や汚れが蓄積されます。
このまま新しいワックスを重ねると、汚れが閉じ込められ、美しい仕上がりになりません。
ワックスの光沢や耐久性を保つためにも、剥離は欠かせない工程です。
新しいワックスを塗る前にしっかりと古いワックスを剥がすことで、フローリング本来の美しさを長持ちさせることができます。
古い床ワックスを剥がす、強力剥離剤です。
くすみ・汚れの原因となる古いワックスをしっかり落とします。
1本で約48畳分使用することができます。
ワックスを塗る前には、まずこれで古いワックスを落としてください。
まとめ
- フローリングの種類に応じて適切なワックスを選ぶことが重要です。
合板フローリングには樹脂ワックス、無垢フローリングには油性ワックス、クッションフロアには専用ワックスが適しています。 - 樹脂ワックスは「耐久性」「耐水性」「滑り止め」「ツヤ」の4つを考慮して選びます。
ペットがいる家庭では耐久性、キッチンでは耐水性、小さな子どもがいる場合は滑り止め機能が重要です。 - ウレタンワックスは耐久性が高く、シリコンワックスは滑り止め効果があります。
ポリマーコーティングは防汚性に優れ、ガラスコーティングは長期間メンテナンス不要です。用途に応じた選択が重要です。 - ワックスの塗り直しは使用状況に応じて異なります。
頻繁に使用する場所は半年に1回、年1回は剥離して再塗布が理想です。
使用頻度の低い部屋は2~3年に1回の塗り直しで十分ですが、剥離を怠ると床の美観が損なわれるため注意しましょう。
よくある質問
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蜜蝋ワックスとはどんなワックスですか?
天然の蜜蝋を主成分とした木材保護ワックスです。
木材に浸透し、自然なツヤとしっとりした質感を与えながら、乾燥や汚れから守ります。
化学物質を含まないため、安全性が高く、赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使用できます。
無垢材のフローリングや家具に適しており、木の風合いを活かしたい場合に最適です。
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艶なしワックスはどんな場合に適していますか?
フローリング本来の質感を活かし、光沢を抑えた落ち着いた雰囲気を作ります。
ナチュラルなインテリアや和室、カフェ風の内装に適しています。
また、光沢がないため、傷やホコリ、汚れが目立ちにくく、メンテナンスの手間が少ないのが特徴です。
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ワックスは自分でかけるのと業者に頼むのは、どちらが良いでしょうか?
以下に一般的な比較をまとめておきましたので参考にしてください。
項目 自分でかける 業者に頼む メリット ・コストが安い(ワックス代のみ)
・好きなタイミングで作業できる
・マメに塗り直せる・仕上がりが美しい
・プロ用の耐久性の高いワックスが使われる
・(家具の移動や清掃などの)準備から任せられるデメリット ・時間と手間がかかる
・作業品質が不安・費用が高い
・業者選びの手間がかかる
・スケジュール調整費用の目安 数千円(ワックス代) 数万円(広さ・業者による)
