キッチンの排水口から漂う臭いやつまり、ぬめりに悩んでいませんか?
排水口の奥は見えにくく、汚れや雑菌がたまりやすいため、放っておくと悪臭やつまりの原因になります。

その鍵を握るのが「排水トラップ」です。
排水トラップは、水を溜めることで下水からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ仕組みですが、汚れが蓄積すると本来の機能が低下し、臭いの発生源になることも。

実は、排水トラップにはいくつかの種類があり、それぞれに適した掃除方法があります。
間違った方法で掃除すると排水パイプを傷めたり、十分な効果が得られないことも…。

そこで今回は、キッチンシンクの排水トラップの種類ごとに、効果的な掃除方法を詳しく解説します。
正しい対策をして、キッチンを清潔に保ちましょう!

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  1. キッチンシンクの排水口の臭いやつまりの原因
  2. キッチンシンク下の仕組み
  3. ワントラップ(椀トラップ)
  4. Sトラップ
  5. ボトルトラップ
  6. 汚れているときの日々のお手入れ方法
  7. シンク下の排水トラップの構造別!効果的な掃除方法
  8. 【まとめ】排水トラップの構造別の掃除方法
  9. 排水口の臭い・つまり予防法
  10. まとめ
  11. よくある質問

キッチンシンクの排水口の臭いやつまりの原因

キッチンシンクやゴミ受けを定期的に掃除しているのに、排水口から嫌な臭いがする、または排水時にボコボコと音がすることはありませんか?
このような臭いやつまりの原因は、以下のようなことが考えられます。

油汚れや食べカスの蓄積

キッチンの排水口に流れ込む油や食べカスの蓄積による汚れは、菌によって分解されますが、その際にイヤな臭いを発生させます。
また、温度が低い冬場は油が固まりやすく、つまりを引き起こしやすくなります。

カビや雑菌の繁殖

排水口の奥は細菌やカビなどの微生物が好む「栄養(食べカスや油汚れ)」「湿度(70%以上)」「温度(20~30℃)」が揃っており、増殖しやすい環境にあります。
これにより、ぬめりが発生して臭いの原因に繋がります。


排水トラップの水切れ

長期間使っていないと排水口の奥にある排水トラップ内の水が蒸発し、臭いが逆流することがあります。
特に夏場の気温が高い時は水切れが起こりやすくなりますが、水を流すことで改善されます。

こうした臭いやぬめり、つまりを解消するにはキッチンシンク下の仕組みを理解し、正しく対策することが重要です。

キッチンシンク下の仕組み

キッチンシンク下の排水管には、水を溜める「排水トラップ」と呼ばれる構造があります。
これは、水を溜めることで排水口からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ役割を果たしています。
この排水トラップにはいくつか種類があり、異なる構造をしており、メンテナンスの方法も変わります。

排水トラップの種類

主に一般的な家庭で採用されているキッチンシンクの排水トラップは3種類です。

ワントラップ(椀トラップ)

最も普及している排水トラップが「ワントラップ」です。
ワントラップは、シンク直下に取り付けられ、排水管に円筒を差し込んで、その上にお椀状のパーツをかぶせた構造になっています。
器と円筒の間のドーナツ状の隙間に、封水を溜めています。
水を流し、封水の水位が上がると、中央の円筒に溢れて排水管に流れていく仕組みです。

ワントラップの汚れやすい場所

お椀状のカップ(椀トラップ)は、その内外面に汚れやぬめりが付着しやすい構造になっています。
特に内側にはヘドロ状の汚れが溜まりやすいため、こまめな掃除が必要です。

汚れ自体は比較的簡単に落とせるものの、見た目の不快感から清掃に抵抗を感じる人も多いかもしれません。
しかし、定期的な掃除をすることで悪臭やぬめりを防ぎ、衛生的に保つことができます。

Sトラップ

2000年頃から普及し始めた排水トラップが「Sトラップ」です。
Sトラップは、文字通り、器から排水管をS字にカーブさせて、そこに封水を溜める構造になっています。
水を流すと封水の水位が上がって、器の上部から下に繋がる排水管へ水が流れていく仕組みです。

Sトラップの汚れやすい場所

排水部の内径がワントラップ式に比べて小さいこともあり、Sトラップ部につまりが発生しやすい構造になっています。
つまりが発生した場合は、素人では基本的につまりを解消させることができないため、専門業者の手配が必要となります。
そのため、詰まらせないためにも定期的なメンテナンスが重要です。

ボトルトラップ

2024年頃から普及し始めた排水トラップは「ボトルトラップ」です。
ボトルトラップは、封水を溜めた器に、円筒を挿した構造です。
水を流すと封水の水位が上がって、器の上部横に繋がる排水管へ水が流れていく仕組みです。

ボトルトラップの汚れやすい場所

ボトルトラップは、従来主流だったワントラップやSトラップのデメリットを解消した構造になっており、お手入れがしやすく、汚れが付きづらいのが特長です。
汚れが溜まりやすいのは封水筒(ボトル部)で、基本的にはここを洗うだけで清潔な状態を保てます。

汚れているときの日々のお手入れ方法

各種排水トラップの構造は違いますが、汚れが気になったときの日々のお手入れは2ステップ、3分あれば完了します。

  • 排水口のゴミ受け(網かご)に溜まっている生ごみを捨てる。
  • 食器用洗剤でフタ(排水カバー)、ゴミ受け(網かご・排水バスケット)、排水口まわりをスポンジやブラシを使って洗う。

これにより、排水口を清潔に保ち、悪臭やつまりを防げます。
さらに、シンク内もついでに掃除することで、より清潔な状態を保つことができるのでおすすめです。

シンク内のお掃除方法はこちらで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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シンク下の排水トラップの構造別!効果的な掃除方法

ここからは、排水トラップの種類別にお掃除方法をご紹介します。

ワントラップの掃除方法

週1回の掃除方法

  • 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、ワントラップを取り外し、ビニール袋の中に入れる。
  • 1のビニール袋の中にキッチンハイターなどスプレータイプの塩素系漂白剤を吹きかけ、5分放置し、こすり洗いする。
  • 食器用洗剤を薄めたお湯(40~50℃)をシンクに溜め、一気に流す。
  • 洗剤が残らないようにシンク内を水洗いする。

※掃除方法の写真はワントラップ構造の排水パイプではありません。

月1回の掃除方法

  • 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、ワントラップを外す。
  • アズマジック排水パイプ洗浄剤1包と水を下記のいずれかの方法で入れる。
    ・洗浄剤1包と水(約100~200ml)を3回程度に分けて、水→洗浄剤の順番で交互に排水パイプの中ではなく、封水部分に入れる。
    ・ポリバケツ等の大きめの容器に水(100~200ml)と洗浄剤を入れ、溶かしてから封水部分に入れる。
    ※塩ビ製のパイプは変形する恐れがあるため、お湯を使用しないでください。
  • ワントラップを戻し、30分程放置した後に大量の水(約2L)を流す。

    ※水の流れが悪い場合は、一晩置いてから水を流すとつまりの解消になり、効果的です。
    ※あまり効果を感じられなかった場合は、1~3の作業を繰り返してください。

※掃除方法の写真はワントラップ構造の排水パイプではありません。

ワントラップ 月1回の掃除方法のポイント

ワントラップの場合、パイプ洗浄剤は「排水パイプの中」ではなく、「封水部分」に入れるのが効果的です。

その理由は、ワントラップの封水部分にはぬめりがつきやすいためです。
洗浄剤を封水部分に入れることで、排水パイプの汚れだけでなく、封水部分のぬめりも一緒に落とすことができ、より効果的なお掃除ができます。

Sトラップの掃除方法

週1回の掃除方法

  • 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタを取り外し、ビニール袋の中に入れる。
  • 1のビニール袋の中にキッチンハイターなどスプレータイプの塩素系漂白剤を吹きかけ、5分放置し、こすり洗いする。
    ※塩素系漂白剤を使用する際は、必ず「使用上の注意」を確認し、手袋を着用してください。また、「まぜるな危険 酸性タイプ」の表示がある製品が混ざらないように十分に注意してください。
  • 食器用洗剤を薄めたお湯(40~50℃)をシンクに溜め、一気に流す。
  • 洗剤が残らないようにシンク内を水洗いする。

月1回の掃除方法

  • 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、目皿を外す。
  • アズマジック排水パイプ洗浄剤1包と水を下記のいずれかの方法で入れる。
    ・洗浄剤1包と水(約100~200ml)を3回程度に分けて、水→洗浄剤の順番で交互に排水パイプに入れる。
    ・ポリバケツ等の大きめの容器に水(100~200ml)と洗浄剤を入れ、溶かしてから排水パイプに入れる。
    ※塩ビ製のパイプは変形する恐れがあるため、お湯を使用しないでください。
  • 30分程放置した後に大量の水(約2L)を流す。
    ※水の流れが悪い場合は、一晩置いてから水を流すとつまりの解消になり、効果的です。
    ※あまり効果を感じられなかった場合は、1~3の作業を繰り返してください。
    ※トラップの位置によっては、効果が十分に発揮されない場合があります。

ボトルトラップの掃除方法

週1回の掃除方法

  • 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、封水筒を取り外し、ビニール袋の中に入れる。
  • 1のビニール袋の中にキッチンハイターなどスプレータイプの塩素系漂白剤を吹きかけ、5分放置し、こすり洗いする。
    ※塩素系漂白剤を使用する際は、必ず「使用上の注意」を確認し、手袋を着用してください。また、「まぜるな危険 酸性タイプ」の表示がある製品が混ざらないように十分に注意してください。

月1回の掃除方法

  • 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、封水筒を外す。
  • アズマジック排水パイプ洗浄剤1包と水を下記のいずれかの方法で入れる。
    ・洗浄剤1包と水(約100~200ml)を3回程度に分けて、水→洗浄剤の順番で交互に排水パイプに入れる。
    ・ポリバケツ等の大きめの容器に水(100~200ml)と洗浄剤を入れ、溶かしてから排水パイプに入れる。
    ※塩ビ製のパイプは変形する恐れがあるため、お湯を使用しないでください。
  • 封水筒を戻し、30分程放置した後に大量の水(約2L)を流す。
    ※水の流れが悪い場合は、一晩置いてから水を流すとつまりの解消になり、効果的です。
    ※あまり効果を感じられなかった場合は、1~3の作業を繰り返してください。

【まとめ】排水トラップの構造別の掃除方法

お掃除の頻度はあくまで推奨となりますので、排水口からボコボコと音がしたり、流れが悪く感じた際は頻度に関わらずお掃除するようにしてください。


排水トラップの種類 ワントラップ Sトラップ ボトルトラップ
画像 ワントラップ Sトラップ ボトルトラップ
特徴 ・最も多く普及している
・シンク直下に取り付けられ、排水管に円筒を差し込んで、その上にお椀状のパーツをかぶせた構造
・2000年頃から普及
・器から排水管をS字にカーブさせて、そこに封水を溜める構造
・2024年頃から普及
・封水を溜めた器に、円筒を挿した構造
汚れやすい場所 お椀状のカップ(ワントラップ)の内外面に汚れやぬめりが付着しやすい 排水部の内径がワントラップ式に比べて小さいこともあり、Sトラップ部につまりが発生しやすい ワントラップやSトラップのデメリットを解消した構造により汚れが付きづらいため、封水筒(ボトル部)を洗うのみ
汚れているとき ・生ごみを捨てる
・食器用洗剤で各パーツ(ゴミ受け・フタなど)をこすり洗いする
週1回 ・各パーツを塩素系漂白剤を吹きかけ、5分放置した後、こすり洗いする※1
・排水パイプは食器用洗剤を薄めたお湯(40~50℃)をシンクに溜め、一気に流す
・各パーツを塩素系漂白剤を吹きかけ、5分放置した後、こすり洗いする※1
・排水パイプは食器用洗剤を薄めたお湯(40~50℃)をシンクに溜め、一気に流す
・各パーツを塩素系漂白剤を吹きかけ、5分放置した後、こすり洗いする※1
月1回※3 ・パイプ洗浄剤を封水部分に入れ、ワントラップを戻して排水パイプ内を洗浄する ・パイプ洗浄剤を排水パイプに直接入れ、排水パイプ内を洗浄する※2 ・パイプ洗浄剤を排水パイプ内に入れ、封水筒を戻して排水パイプ内を洗浄する

※1塩素系漂白剤を使用する際は、必ず「使用上の注意」を確認し、手袋を着用してください。また、「まぜるな危険 酸性タイプ」の表示がある製品が混ざらないように十分に注意してください。
※2トラップの位置によっては、効果が十分に発揮されない場合があります。
※3「シンク下の排水トラップの構造別!効果的な掃除方法」で説明している「月1回のお掃除方法」の手順に従って掃除してください。

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バイオパワー液状

排水口の臭い・つまり予防法

臭いは我慢できるかもしれませんが、排水口がつまると自分で解決しようとしてかえって壊してしまう可能性もあります。
そうならないためにも、日頃からしっかり対策をしておくことが大切です。

  • 排水口まわりが汚れているときのお手入れ方法、週1回、月1回のお掃除を習慣化する。
  • キッチンペーパーなどで油を拭き取り、油を直接流さない。
  • 排水口ネットを使用して細かなゴミも流さない。
  • 手軽に使えるパイプ洗浄剤を活用する。
おすすめ商品|アズマジックバイオ排水パイプ用

ハウスクリーニングのプロが推奨している洗剤シリーズ「アズマジック」。バイオのチカラで、ニオイや汚れを除去・防止します。 キッチン・洗面所・浴室の排水パイプや、ストレーナー・三角コーナー・ゴミ箱に。2~3 日に1度、継続して使用すると効果的です。  

アズマジックバイオ排水パイプ用

大きなぬめりとり・3個入CH859

吊るすだけで流し台の排水口ストレーナーや排水パイプのイヤなヌメリを洗浄し、ニオイを抑えます。効果は約1ヶ月持続します。 ※吊るすことができないゴミ受け(網かご)の場合は市販の樹脂製のケースに入れてご使用ください。

まとめ

  • 排水口の臭いやぬめり、つまりは「油汚れや食べカスの蓄積」「カビや雑菌の繁殖」「排水トラップの水切れ」が原因です。
  • キッチンシンク下の排水トラップはいくつか種類があり、排水口の臭いやつまりを防ぐには、構造に応じた適切な掃除が重要です。
    汚れているときの日々のお手入れ(生ごみを捨てて、食器用洗剤でこすり洗いする)、週1回(お湯を一気に流すことで排水パイプ内の洗浄をする)、月1回(パイプ洗浄剤を使って排水パイプ内を洗浄する)の頻度で定期的に掃除することで臭いやつまりを予防することができます。
  • 掃除以外の対策としては「油を直接流さない」「排水口ネットを使用する」「手軽に使えるパイプ洗浄剤の活用」があります。

よくある質問

  • つまりが発生した場合はどう対処すべき?

     

    ワイヤーブラシ等を使って自分でつまりを解消しようとすると排水パイプを傷めてしまったり、最悪の場合、壊してしまう可能性もあるため、必ず専門業者に対応をお願いしましょう。
    その際、ご使用されている排水トラップの種類を伝えることでスムーズに依頼することができます。

  • ディスポーザーのキッチンシンクの場合のお手入れ方法は?

     

    ディスポーザーはパイプ洗浄剤や塩素系漂白剤を使用して掃除することができません。
    また、重曹やクエン酸などナチュラル洗剤に関しても生物処理タイプのディスポーザーであれば微生物が弱ってしまうため、使用は避けた方が無難です。
    そのため、破砕室に氷と食器用(中性)洗剤を数滴加え、水を流しながら運転してお手入れするようにしましょう。