キッチン(台所)の排水口の流れが悪いと、水がなかなか流れなかったり、ゴボゴボと音がしたりして不安になりますよね。
「そのうち直るかも」と思って放置してしまい、つまりがひどくなるケースも少なくありません。
今回は、キッチンの排水口がつまる主な原因を整理したうえで、自分で解消する方法や予防方法を紹介します。
なお、この記事では「排水口」に表記を統一して記載しています。
「排水口」「排水溝」という表記がありますが、住宅内で水を排出する開口部は「排水口」が正しい表記です。

目次 閉じる
この記事でわかること
- 排水口掃除の基本と種類別のやり方
- 1.パーツを取り外して掃除をする
2.パイプ洗浄剤で汚れを分解する
3.ラバーカップ(スッポン)を使う
4.真空式パイプクリーナーを使う
できることから試してみましょう。 - 排水口の流れが悪いときの対処法(状況別)
- 流れが悪くなる原因は、排水口や排水管のつまりだけとは限りません。
屋外の排水桝に汚れが溜まっていたり、大雨の影響で排水がうまく流れなくなったりすることもあります。
ゴボゴボ音がする、逆流して水が上がってくるなどの状況別に、考えられる原因と対処法を紹介します。
自分で対応できるケースと、業者に相談すべき目安を確認しましょう。
キッチン(台所)の排水口でつまりが生じる主な原因
まずは、どのような理由で排水口のつまりが起きるのかを確認していきましょう。
排水口・排水管内に付着した油分の固着
調理で使った油や食器洗いの際に流れる油分は、排水口のつまりを引き起こす代表的な原因です。
油は冷えると固まりやすく、排水トラップや排水管の内側に少しずつ付着していきます。
キッチンの排水口は、排水トラップと呼ばれる構造によって水を流す仕組みです。
排水トラップは内部に水を溜めることで下水からの臭いを防ぐ役割があり、家庭では主に以下の3種類が使用されています。

- ワントラップ(椀トラップ)
- Sトラップ
- ボトルトラップ
油汚れが蓄積すると水の通り道が狭くなり、流れが悪くなる原因になります。
食べカスやぬめりによる汚れの蓄積
「ちょっとくらい大丈夫」と思いがちですが、野菜くずや米粒、小麦粉などの細かい食べカスは、ゴミ受けや排水口周辺に溜まりやすい汚れです。
そのままにしておくと水分や油分と混ざり合い、ぬめりや雑菌が発生して排水口がつまる原因になります。
排水口・排水管内への固形物の混入
排水口のつまりは、固形物が入り込むことで起きる場合もあります。
お箸やスプーンなどのカトラリーのほか、ペットボトルのキャップ、食品の包装フィルムなどが気づかないうちに排水口へ落ちてしまうケースです。
排水桝内部での汚れ・異物の滞留
屋内だけでなく、屋外にある排水桝(はいすいます)が原因になっていることもあります。
排水桝は、家庭から出た排水を集めて公共の下水管へ流すための設備です。
油やゴミを沈殿・分離させる構造になっています。
この排水桝の内部に汚れや異物が溜まると、排水の流れが悪くなり、キッチンの排水口のつまりや逆流につながることがあります。
キッチンの排水口のつまりを自分で解消する4つの方法
キッチンの排水口のつまりが気になるときに、自分でできる解消方法を紹介します。
すぐにできることから試してみましょう。
ただし、カトラリーやキャップなどの固形物が入り込んでいる場合は、ここで紹介する方法では解消できない可能性が高いことがあります。
その場合は無理に対処せず、状況に応じて点検や修理を検討することが大切です。
1. パーツを取り外して掃除をする
排水口のつまりの原因として最も多いのが、汚れの蓄積です。
フタやゴミ受けなど取り外せるパーツを外し、排水口全体を掃除しましょう。
ドロドロした汚れには、スプレータイプの塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)を使うと、直接触れずに掃除できます。
使用する際は換気を行い、ゴム手袋を着用してください。
掃除の手順
ワントラップ(椀トラップ)を例に、掃除の手順を紹介します。
- 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、ワントラップを取り外す
- 取り外した部品をビニール袋に入れ、スプレータイプの塩素系漂白剤を吹きかける
- 5分ほど放置する
- スポンジやブラシでこすり洗いする
- 食器用洗剤を薄めたお湯(40~50℃)をシンクに溜め、一気に流す
- 洗剤が残らないようにシンク内を水でよく洗い流す
例として、LIXIL(リクシル)のキッチンでは、反時計回りに回すことで外せるワントラップが多く採用されています。
※実際の仕様は種類によって異なります。

取り外したパーツを入れるビニール袋は、部品の大きさに合わせて選びましょう。

5分ほど放置してから、スポンジやブラシでこすり洗いをします。
「酸性タイプ」と表示された洗剤と併用しないように注意してください。
その後、排水口に栓をし、食器用洗剤を薄めたお湯を一気に流します。
60℃以上のお湯を流すと排水管を傷める恐れがあるため、必ず40~50℃に設定してください。

洗剤が残らないように、シンク内を水でよく洗い流せば完了です。
掃除のコツ
食器用洗剤を薄めたお湯を一気に流すときは、排水口にビニール袋を入れて栓代わりにすると簡単です。
袋の中にお湯を入れて重さでふさぎ、シンクにお湯を溜めてから袋を抜くと、勢いよく流すことができます。
Sトラップやボトルトラップの場合も使用する洗剤は同じです。
構造によって分解方法が異なるため、無理に外さず、取扱説明書を確認して作業してください。
詳しい掃除方法は以下の記事で解説しています。
2. パイプ洗浄剤で汚れを分解する
パイプユニッシュなどのパイプ洗浄剤(パイプクリーナー)は、排水管の汚れを分解して溶かすことで、水の流れや臭いを改善する効果が期待できます。
排水管内に溜まった油汚れやぬめりを落としやすくなるため、つまりが気になるときに手軽に試せる方法としておすすめです。
掃除の手順
ワントラップ(椀トラップ)を例に、「アズマジック排水パイプ洗浄剤」を使った方法を紹介します。
- 生ごみを捨て、排水口のゴミ受けやフタ、ワントラップを取り外す
- アズマジック排水パイプ洗浄剤1包と水を、以下のいずれかの方法で封水部分に入れる
(1)洗浄剤1包と水(約100~200ml)を3回程度に分けて、水→洗浄剤の順番で交互に入れる
(2)ポリバケツ等の大きめの容器に洗浄剤1包と水(約100~200ml)を入れ、溶かしてから入れる - ワントラップを元に戻し、一晩ほど放置する
- 大量の水(約2L)を流す

洗浄剤をしっかり流すことで、分解された汚れを排水管の奥まで押し流します。
塩ビ製の排水管は熱に弱いため、お湯は使わず水で流してください。
効果を感じにくいときは同じ手順を繰り返しましょう。
掃除のコツ
ワントラップの場合は、中央の排水パイプではなく、封水部分に洗浄剤を入れるのがポイントです。
この部分は汚れが溜まりやすいため、直接作用させることで効率よく洗浄できます。
Sトラップやボトルトラップの場合は、排水パイプに直接流し込みましょう。
ハウスクリーニングのプロが推奨している洗剤シリーズ「アズマジック」。 プロが使用する洗剤を家庭でも使えるように改良しました。排水パイプ洗浄剤は強力な洗浄力で汚れを分解し、キッチン、浴室などの排水パイプのつまりやニオイを解消します。分包で使いやすい洗剤です。
3. ラバーカップ(スッポン)を使う
トイレのつまり解消によく使用されるラバーカップ(スッポン)は、キッチンの排水口のつまりにも使用できます。
以下の手順で試してみましょう。
- ラバーカップを排水口にしっかり密着させる
- 空気を抜くように押し込む
- 排水口に密着させたまま一気に引き上げる
- つまりが解消されるまで繰り返す

使用する際は、ラバーカップの先端より少し上までシンクに水を張るのがポイントです。
水圧がかかることで吸引力が高まり、つまりを解消しやすくなります。
ただし、カトラリーやキャップなどの固形物が原因の場合は、奥に押し込んでしまい、つまりが悪化する可能性があります。
固形物が原因とわかっている場合は、ラバーカップの使用を避けてください。
強力な吸引力で、排水パイプの詰まりを解消する通水カップです。詰まっている箇所に押し込み、引き上げるだけで詰まりが解消できます。 コンパクトなミニサイズでキッチンなどでの使用にも適しています。
4. 真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップと同じ仕組みでつまりを解消する道具です。
空気圧を利用して吸引するため、ラバーカップよりも吸引力が強い点が特徴です。
- 真空式パイプクリーナーを排水口に密着する
- 空気を抜くように圧をかけて押し込む
- 排水口に密着させたままハンドルを押し引きする
- つまりが解消されるまで繰り返す
ラバーカップと同様に、カップ部分より少し上まで水を張った状態で使用すると効果が高まります。
ただし、固形物が原因のつまりの場合は、奥に押し込んでしまう可能性があります。
つまりの原因が固形物とわかっている場合は使用を避けてください。
【状況別】キッチンの排水口の流れが悪いときの対処法
よくある状況別に、考えられる原因と対処法を紹介します。
排水口からゴボゴボ音がする場合
排水口からゴボゴボ・ポコポコといった音がする場合は、次のような原因が考えられます。
- 水やお湯を一度にたくさん流した
- 排水口や排水管がつまりかけている
- 配管のつなぎ目に問題がある
- 大雨など天候の影響を受けている
一時的に解消されることも多いですが、音が続く場合は排水口や排水管のつまりが疑われます。
この記事で紹介した方法を試しても改善しないときは、専門業者への依頼を検討しましょう。
集合住宅の場合は、ほかの部屋で大量の水を流した影響で音がすることもあります。
各部屋の排水管が共通の排水管(排水幹管)につながっているため、ほかの部屋の排水によって空気が押し出され、排水口から音が出ることが理由です。
改善しない場合は、管理会社や大家さんへ相談しましょう。
逆流して水が上がってくる場合
「逆流して水が上がってくる」「シンクに水たまりができてしまった」という場合は、排水の通り道のどこかでつまりが起きている可能性があります。
主な原因は以下のとおりです。
- 排水口や排水管のつまり
- 屋外にある排水桝の汚れやつまり
- 排水管のズレや破損
- 大雨などによる排水能力の低下
まずは、排水口の掃除やパイプ洗浄剤など、自分でできる対処法を試してみましょう。
それでも改善しないときは排水管や排水桝に問題がある可能性があるため、専門業者へ点検を依頼することをおすすめします。
排水口が完全につまった場合
この記事で紹介した方法を試してもまったく水が流れない場合は、排水管の奥で強いつまりが発生している可能性があります。
無理にラバーカップや洗浄剤を使い続けると、つまりを奥へ押し込んでしまうこともあるため注意が必要です。
早めに専門業者へ相談しましょう。
嫌な臭いも同時に気になる場合
流れが悪いだけでなく臭いも気になる場合は、排水管の内部に油汚れやぬめりが蓄積している可能性があります。
パイプ洗浄剤に加えて、バイオ(微生物)の力で汚れを分解するタイプの洗浄剤を使うのも効果的です。
例えば、アズマ工業の「アズマジックバイオ排水パイプ用」なら、排水パイプに約5~10回噴射するだけで簡単に臭い対策ができます。
なお、キッチンの排水口の臭いが気になるときは、複数の原因が考えられます。
以下の記事を参考に、臭いの原因となる場所を見極めるところから始めましょう。
ハウスクリーニングのプロが推奨している洗剤シリーズ「アズマジック」。バイオのチカラで、ニオイや汚れを除去・防止します。 キッチン・洗面所・浴室の排水パイプや、ストレーナー・三角コーナー・ゴミ箱に。2~3 日に1度、継続して使用すると効果的です。
賃貸物件で流れが悪い場合
アパートやマンションなどの賃貸物件では、排水管が共用設備につながっているため、自分の部屋以外が原因で流れが悪くなることもあります。
まずは自分でできる掃除や対処を試し、それでも改善しない場合は管理会社や大家さんへ相談しましょう。
無断で業者を手配すると、費用負担や契約上のトラブルになる可能性があるため注意が必要です。
キッチン(台所)の排水口のつまりを予防する方法
キッチンの排水口のつまりは、日頃の使い方や掃除の習慣によって予防できることが多くあります。
簡単にできる予防方法を紹介するので、早速今日から取り入れてみましょう。
排水口に油を流さないようにする
調理後のフライパンや食器に残った油はそのまま流さず、キッチンペーパーや新聞紙などで拭き取ってから洗いましょう。
揚げ物などで油の量が多い場合は、市販の凝固剤で固めてから処分すると排水管の汚れを防げます。
こまめにシンクと排水口の掃除を行う
排水口のつまりを防ぐためには、日常的な掃除を習慣にすることが欠かせません。
できれば毎日、シンクを使った後に排水口まわりを軽く掃除しましょう。
基本的な掃除は次の2ステップで行えます。
- 排水口のゴミ受けに溜まった生ごみを捨てる
- フタ、ゴミ受け、排水口まわりを食器用洗剤で洗う
シンク内も軽く洗うと、より清潔な状態を保てます。

ただし、日常的な掃除だけでは、排水トラップや排水管内部の汚れを完全に防げません。
次の頻度を目安に、しっかりとした掃除も行いましょう。
- 週1回:塩素系漂白剤を使用したパーツとシンク内の掃除
- 月1回:排水パイプ洗浄剤を使用した排水管掃除
排水トラップの形状によってお手入れ方法が異なるため、自宅の構造に合った方法で掃除することが大切です。
シンク使用後に40~50℃前後のお湯を流す
食器洗いの最後に、40~50℃前後のお湯を1〜2分ほど流すのも効果的です。
排水管の内側に残った油分が流れやすくなり、油汚れの蓄積を防げます。
60℃以上の熱いお湯を流すと排水管を傷める恐れがあるため、温度には十分注意しましょう。
重曹とクエン酸を使って対策する
重曹とクエン酸の発泡作用を利用した掃除方法も、つまりの予防方法として有効です。
パイプ洗浄剤ほど強力ではありませんが、軽い汚れのケアとして手軽に取り入れられます。
基本的な手順は次のとおりです。
- 排水口のフタを外す
- 重曹を排水口に振りかける
- クエン酸を混ぜたお湯をかける
- 泡が収まるまで待ち、そのまま10〜30分程度放置する
- しっかりと洗い流す
反応のピークは数分〜30分程度です。
それ以上放置しても、効果の向上はほとんど見込めません。
発砲作用で浮いた汚れが再付着する可能性があるため、長時間の放置は避けてください。
定期的に行うことで、排水口のぬめりや臭いの発生を抑えられます。
まとめ
キッチンの排水口のつまりは、日頃の使い方や掃除の習慣によって予防できることが多くあります。
流れが悪いと感じたときは、早めに掃除やパイプ洗浄剤などで対処することが大切です。
ただし、固形物のつまりや排水管のトラブルが疑われる場合は、専門業者に点検を依頼するほうが安心です。
気になる症状が続くときは、放置せず早めに対応しましょう。
よくある質問
-
ペットボトルを使って流れが悪い排水口のつまりを解消できる?
空のペットボトルを使って圧をかけ、つまりを解消する方法が紹介されることがあります。
軽度なつまりであれば効果を感じる場合もありますが、排水口の奥にある汚れや本格的なつまりを解消できる方法ではありません。
また、500mlのペットボトルではサイズが小さく、排水口にうまく密着させるのも難しいため効率的とはいえません。
つまりが気になる場合は、ラバーカップやパイプ洗浄剤など、この記事で紹介した方法を試すことをおすすめします。
-
台所の排水口のつまりにワイヤーを使ってもいい?
排水口のつまりを解消するために、ワイヤーブラシや針金などを無理に差し込むのはおすすめしません。
排水パイプの内部を傷つけたり、排水トラップや接続部分を破損させたりする恐れがあります。
-
台所の排水口でワントラップがあると流れないのはなぜ?
「ワントラップがあると水が流れない」と感じる場合でも、原因はワントラップそのものではなく、排水口や排水管内の汚れであることが多くあります。
ワントラップを外すと流れる場合は、ワントラップの裏側や周辺に溜まった汚れが影響している可能性が高いでしょう。
ゴミ受けの網目やワントラップの裏側にはヘドロ状の汚れが溜まりやすいため、パーツを外してしっかり掃除をしてみてください。
ワントラップを外しても流れが悪い場合は、排水管の奥でつまりが起きている可能性があります。
