今回取り上げるのは、お掃除道具の定番中の定番、座敷箒(ほうき)です。
座敷ほうきには江戸時代から続く手編み箒と戦後に生まれたカバー箒があります。両者ともほうき草を使った箒であることには変わりがありませんが、箒を作る工程が異なります。
今回は、手編み箒について取り上げます。見た目にもどっしりとした形はまさにお掃除道具の王様とも言える風格がありますよね。
1.まず、穂の網目を見てみましょう
天然草が驚くほど、しっかりと緻密に編まれていますね。
(後日聞いた話です…。簡単そうに見えますが、この編み方はかなり難しいらしく、慣れた職人さんでも一日10本ほどしか編めないのだとか…)
2.そして穂先
先に行くほど細くなり、穂先を指に一周巻き付けても折れることはありませんでした。
但し、箒の種類によってはガリ芯と呼ばれる固い穂を使っているものもあります。この穂は簡単に折れてしまいますのでご注意くださいね。
3.さっそく使ってみました
一般的なほうきの握り方は、利き手で柄の真ん中あたりを持ち、もう片方の手で柄の先端を支える程度に軽く持つようにします。あとはテコの原理で利き手を左右に動かして畳の目にそって掃きます。
4.掃き方について
いろいろな掃き方を試してみましたが、あまり力を入れずに掃くこと。そして穂が畳にどっしりと触れるより、触れるか触れていないか、すれすれの位置で掃くと穂の弾力性が最も生かされるようです。
5.正しく掃く
ちょうど、穂先が畳の目の奥までしっかりと入ってブラッシングしている感じと表現したらよいのでしょうか。リズミカルに掃くことで、均一な力加減となり、畳にやさしいお掃除ができたような気がしました。
今回の感想
畳って、ほうきって…いいですね。
畳を掃くと「ザッザッ」と穂と畳がこすれ合う音がします。まったく予期していなかったのですが、この音を聞いていると心が落ち着きました。
お香やお花、お茶などを嗜み、繊細な文化を持つ日本で生まれた座敷ほうき。畳の上をサッサッと掃く時の気持ちの良さは、今も昔も変わらず私たちに伝わってくるようです。