お風呂のタイル目地やゴムパッキン、天井などに、いつの間にか黒くポツポツと斑点のようについている黒カビ。
ガンコなカビになると、お風呂用洗剤では落ちません。
お掃除のプロが実践する方法をもとに、黒カビの原因と対策について解説します。

目次 閉じる

  1. 黒カビが発生する原因
  2. 黒カビの特徴
  3. プロが解説するお掃除のポイント
  4. お掃除をする際の注意点
  5. カビの再発を予防する
  6. 梅雨の黒カビ対策
  7. もう一つのカビ、赤カビ(ピンクぬめり)とは?
  8. まとめ
  9. よくある質問

黒カビが発生する原因

お風呂の黒カビの正体は、クラドスポリウム菌という微生物の一種です。
普段は空気中を漂っていて、特に以下の(1)~(3)の条件で成長します。
お風呂が、この菌の繁殖には最高の環境であることが分かりますよね。

(1)湿度

湿度が70%以上の湿気が多い環境を好みます。
特に、水滴が残りやすい場所や換気が不十分な場合に繁殖しやすくなります。

(2)温度

20〜30°Cの温度範囲で最も活発に成長します。
しかし、低温にも一定の耐性があり、色々な環境に適応しやすい特徴を持っています。

(3)栄養

多くの有機物を栄養源とし、浴室内では、ホコリやダニの死骸、水アカなどを栄養として成長します。特に湿気と組み合わさった場合、菌の成長が加速されます。



黒カビの特徴

やっかいな黒カビの特性

黒の斑点や黒ずみになる黒カビは、見た目に不快なだけでなく、アレルギー症状などを引き起こす可能性もあります。
成長すると根を張り、素材に深く染み込むため、浴室用洗剤では落ちず、ガンコな汚れとして悩まれる方も少なくありません。
黒カビを防ぐためには、繁殖原因を理解し、適切な清掃方法で定期的に除去することが大切です。

お風呂の汚れは黒カビから

お風呂の汚れは、水垢や湯垢が複合的に堆積しているケースが多く見受けられます。
この場合には、表層に黒カビがつきますので、最初に取り除くことが重要です。
黒カビは、水垢や湯垢用の洗剤では落ちませんので、プロはまず黒カビに焦点を当て、専用のカビ取り剤を使用します。
この手順がその後の掃除を格段に楽にします。

黒カビと並ぶやっかいな汚れの代表〝鏡のウロコ〟の落とし方はこちら▼

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プロが解説するお掃除のポイント

お掃除のときに用意するもの

  • 手袋
  • マスク
  • 柔らかめの浴室ブラシ(できれば柄付き)
  • カビ用の専用洗剤(ジェルタイプ)
  • スポンジタイプのワイパー(天井の水切り用)
  • アルコールスプレー

効率よく黒カビを落とすプロの手順

まずは天井の黒カビを落とす

天井の掃除は見落としがちですが、黒カビの胞子は天井から降り注ぐこともあります。
天井は、浴槽側と洗い場側を分けて掃除するのがコツです。

(浴槽側の天井)
柔らかいブラシに洗剤をつけ、カビの発生箇所に塗布します。
しばらく放置して洗剤を浸透させた後、シャワーで洗い流します。最後にワイパースポンジ等を使って水滴を拭き取ります。

 
  

ポイント
黒カビは洗剤の力で除去します。
柔らかいブラシを使う意味は、隙間や溝に入り込んだ黒カビに洗剤を届かせるためです。
力任せにこすっても黒カビは落ちませんので、ご注意ください。   

 

(洗い場側の天井)
同様に柔らかいブラシを使用し、特に換気扇周りに注意して掃除します。仕上げに水滴を拭き取り、換気を徹底してください。


天井のカビ掃除はこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください▼

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床の固まった黒カビ対策

床は、天井や壁に比べて汚れが堆積しやすいため、黒カビを含んだ汚れが固まってしまっているケースがあります。
この場合は、少し固めのブラシを使ってブラッシングすることも必要です。
汚れが特にひどい場合は、状態を見ながら洗剤を浸透させる時間を徐々に長く(30分~6時間)してください。

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アズマ工業のハウスクリーニングのプロが推奨しているシリーズ「アズマジック」。
独特の形状により、細部までしっかり届き、洗えるブラシ。サッシ・タイル目地・蛇口まわりなどの掃除に重宝します。

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目地やパッキンの根を張った黒カビ対策

タイル目地やシリコン、ゴムパッキンなどはカビが根を張りやすいため、液だれしにくいジェルタイプのカビ取り剤を使って、成分をしっかりとカビの根元に届かせてください。

 
  

ポイント
カビ取り剤を一本だけ常備するなら、ジェルタイプの界面活性剤配合の商品一択です。
天井や壁、床面や素材の隙間など、黒カビが付いた場所に関わらず除去することができます。   

 
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「アズマジック」はハウスクリーニングの現場で使用している洗剤をベースに、家庭用にアレンジした強力洗剤。
カビへの浸透性を高めるため、粘着性をアップしたジェルタイプのカビ取り剤です。

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Instagramでもカビ含め、様々なお掃除をプロ目線で解説しています!

アルコールスプレーや防カビ剤で仕上げる

カビを除去した後、アルコールや防カビ剤を吹きかけておくと再発防止になります。
特に湿気が多い梅雨の時期や換気が十分でない浴室では、アルコールがカビの発生を抑えてくれますので、ひと手間かける価値はあります。

お掃除をする際の注意点

カビ用洗剤の使用上の注意点

黒カビがタイルの目地や隙間に深く入り込んでいる場合、市販されている洗剤での除去が難しいことがあります。
無理にこすってしまうと壁や浴槽を傷つけるリスクもあるため、難しい場合は無理をせず、お掃除のプロにご相談ください。

年間実績は全国で20,000件。
ご家庭でお困りの汚れがありましたら、アズマ工業にご相談ください。
お掃除のプロ集団が解決いたします。

カビの再発を予防する

黒カビは湿気や汚れが溜まりやすい場所に発生するため、定期的なお掃除と乾燥が欠かせません。
掃除後に水気を取り除き、可能であれば窓を開けたり、換気扇を利用して浴室をしっかり乾燥させましょう。
また、カビの繁殖しやすい箇所には、防カビ剤を定期的にスプレーすると予防効果が高まります。

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梅雨の黒カビ対策

梅雨の湿気が黒カビ発生に与える影響

梅雨の時期は湿度が80%を超える日も多く、湿気がこもりやすい浴室は黒カビにとって絶好の繁殖環境です。
「換気をしているつもりでも、湿気が抜け切らず、数日で黒カビが目立つようになった」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

梅雨の時期の対策アイテム

  • 除湿剤:浴室に置くだけで湿気を吸収し、カビの発生を抑制します。
  • カビ防止シート:浴室の隅や棚に貼ることで、黒カビの発生を予防します。
  • サーキュレーター:入浴後に使用することで、浴室内の湿った空気を効率的に循環させます。

手軽にできる実践方法

入浴後の換気

窓を開けるか換気扇を回し、湿気を逃がします。
ドアも少し開けておくと効果的です。

壁や床の水気を拭き取る

水滴をそのままにせず、スクイージーやクロスで軽く拭き取ります。

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ハウスクリーニングのプロ推奨の「アズマジック」。
拭きスジ、ケバが残らなくキレイに仕上げることができるクロスです。

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防カビ剤を使用する

アズマ工業の防カビスプレーは、効果が3カ月程度持続します。
6月の初旬にカビが気になる目地や壁の隅に吹き付けておけば、その年の梅雨対策はバッチリです。

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天然植物由来の防カビ成分でカビの増殖を抑制します。
浴室の壁・洗面台・窓サッシなど、カビが生えやすい場所にスプレーするだけで効果を発揮します。
やさしいヒノキの香りです。

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もう一つのカビ、赤カビ(ピンクぬめり)とは?

赤カビ(ピンクぬめり)の特徴

「赤カビ」と呼ばれるピンク色のぬめりもカビに分類されますが、正式にはロドトルラという酵母菌の一種です。
ピンク色をしており、特に浴室の壁やシャンプーボトルの底などに現れやすいのが特徴です。

赤カビが発生する原因は?

赤カビが浴室で繁殖するのは、黒カビと同様に、お風呂は湿気と栄養源が豊富だという理由が挙げられます。
水分と温度が高いだけでなく、石けんカスや皮脂といった赤カビのエサとなる物質もたくさんあります。
そのため、特に換気が不十分な場合や掃除を怠った場合、赤カビが発生しやすくなります。

赤カビの掃除と予防

黒カビと比較して落としやすい汚れです。
特に難しいことはありません。
普段お使いの浴室用洗剤でこまめな掃除を心がけてもらえれば大丈夫です。
シャンプーボトルやお風呂用おもちゃなどを浴室に置きっぱなしにせず、水気を切ってから収納することで、赤カビの温床を減らせます。

まとめ

  • 黒カビは湿気や汚れが溜まりやすい浴室で発生しやすく、特にタイル目地やゴムパッキンに根を張ると市販洗剤では落としにくくなります。
  • 効果的な掃除には、ジェルタイプのカビ取り剤や柔らかいブラシを使用し、天井から順に掃除することでカビの胞子を広げずに効率よく除去できます。
  • 掃除後はアルコールスプレーや防カビ剤を使用して予防し、換気や水滴の拭き取りを徹底することで再発を防ぐことが可能です。
  • 深刻な黒カビや、自力で落とすことが難しい場合には、素材を傷める前にプロのハウスクリーニングに依頼することをおすすめします。

よくある質問

  • カビ取り用洗剤と酸性洗剤を同時に使っても良いですか?

     

    同時には使用しないでください。
    カビ取り用洗剤に塩素系が含まれている場合、酸性洗剤と反応して有毒なガスが発生する危険があります。

  • キッチンハイターや重曹で黒カビ汚れは落とせますか?

     

    キッチンハイターの漂白成分、重曹のアルカリ成分はいずれもカビには有効です。
    ただし、安全に使用するために希釈が必要だったり、壁面で使用する際には汚れに浸透する前に流れ落ちたりしてしまいますので、ジェルタイプのカビ取り専用洗剤をおすすめしています。

  • 天井や壁の高い場所の黒カビにはどう対処すればよいですか?

     

    カビ取り専用のスプレー洗剤(ジェルタイプ)や、柄の長い専用ブラシを使用します。
    下から見上げる形での掃除になるため、薬剤が目に入らないよう、保護メガネを着用して掃除してください。

  • 24時間換気システムで黒カビを防げる?

     

    24時間換気システムは、黒カビ防止に役立つ便利な機能です。
    ただし、どうしても湿気は残り、黒カビを完全に防ぐことはできませんので、入浴後の水滴除去や定期的なお掃除と併用することで、清潔な浴室を保ちましょう。