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鏡に付着した白っぽい汚れ。
洗剤をつけても落とせない。雑巾で拭いてもダメ。落とせたと思ったら数時間後には復活してしまう。

なんとも掃除しづらいこの汚は、「鏡のウロコ」とも呼ばれています。
今回はこの「鏡のウロコ」を効果的に落とす方法をご案内します。

 


 

┃鏡のウロコの正体

まずは「鏡のウロコ」の実態を知っておきましょう。

浴室を使った後に床や壁を見ると、たくさんの水滴が付着しているのが分かります。この水滴、見た目には透明の水のように見えますが、水道水のカルキ・カルシウムなどがたっぷりと含まれています。

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水分は時間の経過とともに蒸発しますが、水滴に含まれる不純物はそのまま壁や床に残ります。

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そして完全に水分が乾ききってしまうと、不純物が壁や床にかたく付着してしまいます。これが鏡のウロコの正体です。

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毎日使う浴室などでは、水滴が乾いてできたウロコの上にまた水滴がつき、それがまた乾くとウロコができるということが繰り返されます。すると、カルシウムを含む汚れは幾重にも積み重ねられ、文字通りウロコのように折り重なります。さらにこの状態が進むと、まるで岩のように頑丈なウロコになってしまいます。こうなると、スポンジや通常の洗剤ではとても落とせません。

ではどうすればこのウロコが剥がせるのか、この汚れを取る方法をご説明いたします。

 

お掃除のポイント1 ┃研磨材は注意深く

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手っ取り早く鏡のウロコを取るのには、研磨材を使う方法があります。ただし、くれぐれも鏡専用の研磨材をお使いください。近年の鏡は、例えば曇りにくくするなど様々な加工が施されています。研磨材を使用することで、この加工を損なってしまったり、傷を付けてしまってはウロコ以上に目立ってしまいます。鏡の取り扱い説明を確認の上、対処してください。

それでもさらに、できるだけ目立たない箇所から研磨するようにしましょう。鏡の中央が一番磨きやすいかもしれませんが、そこに傷がついてしまっては、鏡を交換するほどの大事になってしまう恐れもあります。

いずれにしても、鏡専用の研磨材を使用することを前提として、それでも鏡の隅から試し使いをするぐらい注意深くお使いください。そうやって鏡に適した研磨材が見つかれば、使い勝手良く短時間でウロコ取りができるツールになるでしょう。

 

 

お掃除のポイント2 ┃酸性洗剤を使う

鏡のウロコ取りには“酸性”洗剤を使います。なぜ酸性の洗剤を使用するのかと言うと、鏡のウロコの元になる水道水に含まれるカルキ、カルシウムがアルカリ性のため、鏡のウロコもアルカリ性だから、そこに酸性の洗剤を使用しますと中和が起こり、汚れを落としやすくなります。

今回のことに限らず、汚れが酸性かアルカリ性かを知ることは、汚れ落としの大切なスタートラインになります。

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酸性の洗剤がアルカリ性の汚れに出会うと、汚れにくっついて粉々に分解し始めます。鏡のウロコ落としには酸性の洗剤を使うことがポイントです。

icon酸性洗剤って︖

使おうとしている洗剤が酸性なのかアルカリ性なのか、どうやって判定すればよいのかと心配な人も少なくないと思います。洗剤には必ずと言って良いほど、酸性、アルカリ性の記載があります。例えば、「まぜるな危険 酸性洗剤」という表示が表面にあります。普段気にしていないだけで、よく見れば記載があるはずなので確認してみてください。

 

お掃除のポイント3 ┃研磨材と洗剤を繰り返し使う

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鏡全体を研磨布で削り落とし、残った汚れを洗剤の力で分解して拭き取る。それでも、まだ残っていたら…。
研磨布で削り取り、また洗剤を使う。この作業を根気よく繰り返します。

iconウロコ取りには根気が必要!

カチカチに固まってしまったウロコ汚れ。すぐに落とせる汚れもあれば、時間がかかる汚れもあります。樹木の年輪のように年数を重ねて何層にも積み重なってしまったウロコは、一番上の1層を剥がしても、次は2層目、3層目、4層目と次々とウロコの層が現れます。この層が多いものほど汚れ落としに時間がかかります。まさに持久力勝負のお掃除というわけです。

さらに、鏡のウロコは、その特性から、乾かないと出現しません。このため、洗剤を流した直後は「きれいになった!」と思っても、それが乾くとウロコが残っていることもあります。この時の落胆は、意外にダメージが大きいことがあります。そうならないために、鏡のウロコ取りは根気よく繰り返すもの、そう心して臨みましょう。気持ちの持ちようだけのことかもしれませんが、これが鏡のウロコ取りコツかもしれません。

 

 

お掃除のポイント4 ┃毎日鏡を拭くことがコツ

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冒頭で、ウロコ汚れの実態を説明しましたが、水分がある状態で拭き取り掃除をしてしまえばウロコ汚れは進行しません。ウロコは1度できてしまうと掃除が大変です。お風呂上りや洗面台を使用した際に鏡を拭く。これが最大のコツと言えます(なかなかできませんけど…)。